ネットフリックス やフールー のストリーミングサービスが、テレビ周辺のインテリアデザインを変えていく。
8月24日(2015年)に ネットフリックス とソフトバンクが提携し、9月から日本でのサービスを開始するとの発表がありました。
そもそもネットフリックス という会社ですが、6500万人以上の会員をかかえる映画、ドラマなどのコンテンツを配信する世界最大の配信サービス会社です。アメリカでは”ネットフリックス”と言う言葉が、”ジープ”や”ゼロックス”と同様に、特定の商品名が、一般名称として認知されてしまっているほど普及しているサービスです。(日本で言えば、”カップ麺”が一般名称ですが商品名である”カップヌードル”の方が認知されています。例えば水上バイク=ジェットスキー、クローラー=キャタピラーと同じです)
子供や若い世代にはネットフリックス と言う言葉が、”家で映画やドラマを見る事”と認知されています。
なるべく物は持たない。物を所有する事、それは物に縛られる事。
テレビ台の下にはDVDが詰まっています。年間何回これらのコンテンツを見るチャンスが有るでしょう?もちろん思い出の映画だったり、好きな俳優、制作者だったりこだわりはあるから所有しているものです。でも同じように配信されても同じようにコンテンツは見れます。見る度に視聴料を払って。
もちろんコレクションすると言う消費行動も有りますが、本当に必要なものだけを所有し、所有する必要のないものはその都度、使える環境を整えられるようになりましたし、それで十分という考えも浸透してきました。
制作者にしてみれば、ただ所有してもらうだけよりも本当は何度でも見てもらいたいものです。映画ですから、コンテンツですから、本来は見てもらってなんぼなのですから。
courtesy netflix
シェアエコノミー 、ミニマリスト、シンプル なライフスタイル
過剰な消費に対するアンチテーゼ、ミニマリストの考えもその起源 の一つである60年代のヒッピームーブメントから40年の時を超え、注目されています。ビートニックからヒッピーのコミューン文化に変遷していった中で、 過剰な消費社会に疑問を感じ、シンプルな生活へと傾倒していった考えが、今、経済が成熟した極東の日本にも及んできています。
”一年間着なかった洋服は捨てる”とも断捨離教本に書かれています。一年間読まなかった本は捨てる。一年間見なかった映画は捨てる。でも同じでしょう。見たくなったら借りれば良いのですし、その借りる過程には又、新たな出会いが有るかもしれません。
醤油を借りる
隣で醤油を借りる。は小さなコミュニティ、隣近所とのコミュニケーション等の意味での良い例として上がりますが、効率性やシェアエコノミーの角度から引用される事は少ないかもしれません。
この醤油を拝借すると言うのは、借りっ放しでただ乗りしろと言う話ではないでしょう。借りた方は今度は別の物、借りた方の得意分野でお返しをすると言う意味でしょう。醤油と言うと古くさいので懐古主義のようでいやですが、それぞれの得意分野が有るのだからそこから借りて、使わないときは戻しておけばよい。それはそれで生活の知恵。同様に必要なときに借りて使うAirbnb や カーシェアリングは、それを助けるテクノロジーの進化と今の時代の空気でしょうか。
レコメンデーション機能
ネットフリックス ( NETFLIX )のサービスの特徴はレコメンデーション機能。アマゾンなどのネットショッピングでよく見る”この商品を買った人は××も”とか、”この商品と類似した商 品は××”、と言うのと同じ様にこの”映画を見た人は××”、と映画の監督、俳優、脚本などで作品を推薦、選択してくれます。75%のユーザーはレコメンデー ション機能を使用して映画を決めるそうです。
ケーブルテレビ文化、HBO
ケーブルテレビ放送局HBOは独自のコンテンツ製作に乗り出し、ハリウッドを凌駕するビッグヒットを放ち、映画とテレビの地図を完全に塗り替えました。
有償で見るテレビ、ケーブルテレビの有料課金型ペイチャンネルで得た資金を使い、自身で出資し制作するのシステムを確立しました。これはさらに優良なコンテンツを多く生み出し、それまでの映画産業とテレビドラマのバランスを大きく変えました。
テレビドラマ=ソープオペラと言えば地上波テレビ局制作のロウバジェット昼ドラマ、ストーリーははお決まりの展開。でもそれが資本の投下によって、斬新でチャレンジングな脚本、監督、ハリウッドスターの起用で大きくクオリティーアップし”ソプラノス”、”マッドメン”、”セックスアンドザシティー”他多くの連続もののテレビドラマの大ヒットとなりました。
ネットフリックス、ネットの有償ストリーミングサービスが、日本でもアジアでも本当に有償で見たくなるコンテンツを制作し、ユーザーに質の高いコンテンツを届け、いつしかコンテンツ業界の地図を塗り替える日が訪れるのでしょうか。